バイオマス

事業として目指すもの
   
  再生可能エネルギ−には、太陽光・風力・小水力発電などがあります。私達が今後取り組んでいく事業は、今まで捨てられていたエネルギ−をリサイクル・エネルギ−として利用することです。日本は、小資源国です。そしてエネルギ−原料のほとんどを海外に依存しています。オイルショック以前は化石燃料を輸入して発電してきましたし、以後は原子力を利用して発電してきました。
しかし、2011年3月に発生した東京電力の福島原発事故以降、安全性が疑問視され代替エネルギ−源としてのバイオマス資源が見直されています。
南会津町に於いても、バイオマス・タウン構想が草案されましたが、未だに事業化までには至っておりません。
一般及び産業廃棄物収集運搬を主たる業務とする当社が、更なる地域貢献を考えた時に、自社保有の経営資源を有効に活用し、かつ、地域社会大きく貢献できる事業であると思っています。
 
 
 
環境への配慮
 
  事業化を図る上で、もっとも大切な事は、地域のみなさまの理解と協力であります。この為に私達は、パートナ−企業である新潟県村上市【開成】を何度も視察して、さまざまな疑問(臭気・騒音・振動・汚水など)にお答いただきました。
 
メタン発酵方式

 ※【資料提供 開成】
 
メタン発酵方式
 
  発酵によってメタンガス(バイオガス)を生成するメタン発酵方式は、家畜糞尿や下水汚泥の処理技術として長い歴史をもちます。直接燃焼やガス化が乾燥したバイオマスに適しているのに対し、この技術は生ごみなどのような、水分が多いバイオマスに適しています。メタン発酵方式では有機物の濃度が高いほど高効率な発酵が可能ですが、水分が95%以上含まれる液状のバイオマスを利用するのが主流でした。これに対して、近年、水分が80%程度と固形物に近いバイオマスガスプラントが開発されています。
 
コージェネレーション
 
  発電と同時に副生物として発生する熱を利用することで、通常の発電システムでは、燃料の持っている30%程度しか電力に変えることができませんが、計画する事業においては、エネルギ−の利用効率を80%まで高めることができます。これは、電力会社の大型発電所の発電効率(40%)の約2倍の効率です。また、廃棄物の焼却量や最終処分量を大きく減らすことも可能になります。
 
液肥(廃液)
 

 

バイオマスガスプラントでは、生成されたガスだけではなく、副生成物である廃液も注目されています。廃液は嫌気性発酵によって有機物が分解されることで腐敗物質がなくなるため、悪臭の原因となる物質が減り肥料として使うことができます。【開成】では、既に稲作に利用され収量・食味の向上などで良い結果が得られています。

 
波及効果
   
  今まで未利用なバイオマスに於いて、この汚泥や食品残渣残渣を利用するバイオマス・ガス事業は、他のバイオマスに比べて、多くの長所を持ち合わせています。
   
(1)農業分野への効果
  南会津は、豪雪地帯の為に、農業期間は5月から10月末位しかできません。冬季の6ケ月間農業が可能であれば、所得も上がり、就農意欲が増して、地域の活性化に繋がるものとのと考えています。また、営農家にとって作物の通年栽培は悲願であり、夢でもありました。.コージェネレ−ションよって、排熱を農業に活用できれば、実現は可能となります。
   
(2)町財政への貢献
  今、郡内の食品残渣は可燃ごみとして焼却処分され、汚泥は肥料として域外で処分されています。この事業により、財政的負担は軽減されます
   
(3)情報の発信
  南会津は豪雪地帯であり、保守的な地域という見方が多数であったと思いますが、革新的な事業に取り組む姿勢が、県内に広がりをみせれば、復興に貢献できるものと考えています。
   
(4)雇用の創出
  再生可能エネルギ−には太陽光・小水力・木質バイオマスなど沢山ありますが、バイオマス・ガス発電が最も雇用創出力があります。何故なら、副生成物で
ある排熱や廃液を農業に利用することができるからです。
   
(5)循環型社会の形成
  食品残渣は焼却処分されていましたが、バイオガス発電の原料として利用されることで、有機液肥として農地に還元されます。
   
 
   
温室の建設
 
  【開成】においては、隣接地に鉄骨の温室を3棟建設し、南国の果実を栽培・販売しています。当社でも隣接する農地に温室を建設して、野菜や果実を栽培したいと計画しています。そして、そこで働く人は地元のご年配の方が望ましいと考えています。(培った経験は、とても貴重なものです。それを生かし、喜びを感じていただけたら、本当にうれしいです)
   
これまでの歩み
   
  1.南会津地方振興局主導による、木質バイオマス施設【お山の学校】、バイオマスガス発電施設【開成】見学会(1月)
  2.事業化に向けた、バイオマス発電施設【開成】視察(2月)
  3.南会津再生可能エネルギ−推進協議会設立(2月)
  4.南会津再生可能エネルギ−推進協議会総会(5月)
  5.南会津再生可能エネルギ−推進協議会総会、《その他部会》による【開成】視察(7月)
  6.移動式バイオマス・ガス発電施設視察(7月)
  7.事業化候補地の選定作業(9月)
8.事業化候補地、地域住民の方とのバイオマスガス発電施設【開成】視察(10月)
9.福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会に参加(11月)
 
現状
   
  1. 事業を進めるに当たり、地域住民の理解と協力が大事であると考えています。このために、何度か事業説明会を開かせていただきました。しかしながら、廃棄物に対するアレルギ−には根.強いものがあり、地域の方の理解と協力を得るまでは至っておりません。
今後5年・10年を考えた時、必ずや必要となるものであり、根気よく説明していくつもりです。
   
  2. 同じバイオマス・ガス発電施設であっても、小規模な施設・大規模な施設と色々あります。また、実験段階・試験段階の施設とあります。
当社は見識を広める為に、積極的にこれら施設の視察を行っています。
   
  3. バイオマスを理解していただく為の広報活動をイベント出展を積極的に行っていきます。
  (※ 平成25年9月29日「商工業祭in南会津2013」出展)
   
  4. 南会津郡内の食品残渣の賦存量調査を昨年の1月・7月と2度実施しました。
   
  5. 住民の方の理解と協力が得られる、建設用地の選定を進めています。
   
   
今後の取り組み
   
  1.住民の方々の理解と協力の下、建設用地の選定を行っていきます
   
  2.パートナ企業である【開成】の協力の下で、事業化を進めていきます。
   
  3.行政機関の方々や同じ部会の方々のご指導・ご協力の下、プラント建設の申請手続きの書類作成を行っていきます。